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🍎ヒルドイド(ヘパリン類似物質)について

湿疹や乾燥などによる肌トラブル


 湿疹や乾燥などによる肌トラブルで受診した際に、「ヒルドイド(一般名:ヘパリン類似物質)」が処方されたことはあるでしょうか。“ヒルドイド“は代表的な保湿剤の一つです。先発品はマルホ株式会社が製造している“ヒルドイド“、後発品は“ヘパリン類似物質“として処方されます。今回は、この“ヒルドイド(ヘパリン類似物質)“についてご紹介します。

ヘパリン類似物質ってなに?

「へパ」は「肝臓」という意味で、ヘパリンは肝臓で生成されている物質です。ヘパリンは血液を固まりにくくする「抗凝固作用」があり、このヘパリンに似た構造を持つ「ヘパリン類似物質」は、血行促進作用や、水に溶けやすく混ざりやすい性質(=親水性)と、水分子を保持させる性質(=保水性)があるため、皮膚の奥まで浸透し、高い保湿効果があります。そのほか、皮膚のバリア機能を高めることで、抗炎症作用がある外用薬です。

先発品と後発品の違いは?

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)には、軟膏、クリーム、ローションなどのタイプがあります。お肌の状態や、好みの使用感によって選ぶことができます。
先発医薬品と後発(ジェネリック)医薬品の有効性や安全性は同じですが、2024年10月から選定療養対象の拡大により、先発品のヒルドイドを希望される場合は、処方を受け取る際に自己負担額が発生するようになりました。ただし、医師が治療上必要と認めた場合には自己負担金は生じません。メーカーによって使用基材が違うため、お肌に合わない場合は、医師に相談しましょう。

ヒルドイド(後発品名)の使用感について

ヒルドイドソフト軟膏(後発品:ヘパリン類似物質油性クリーム)
軟膏は油がメインで内部に水を含むタイプのため、保湿性(被覆性)が高く、皮膚表面を保護する効果があります。ほかの種類と比べると、伸びにくく、べたべたしやすいため、乾燥期の秋から冬場の使用に適しています。

ヒルドイドクリーム(後発品:ヘパリン類似物質クリーム)
水分がメインで内部の油を含むタイプのため、軟膏よりも質感が軽く、肌なじみが良く、べたべたした感じが苦手な方にお勧めです。被覆性、使用感のバランスがとれているため季節問わず使用しやすいです。

ローション(後発品:ヘパリン類似物質ローション)
水分がメインで内部の油を含むタイプですが、軟膏やクリームよりも質感が軽く、さっぱりとした乳液のような使い心地です。軟膏のように皮膚表面をカバーする保湿力はありませんが、肌へ塗り広げやすいので、広範囲に塗りたいときや、汗をかきやすい季節に使いやすいです。※先発品は乳液状ですが、後発品はメーカーによって、乳液と化粧水タイプがあり、使用感に違いがあります。

フォーム(後発品:ヘパリン類似物質外用泡状スプレー)
油分を含まないため、最もさっぱりとしています。きめ細かい泡状で出てくるため伸びが良く、広範囲の使用に適しています。朝の忙しい時間での使用や、お風呂上りや暑い季節に使いやすいです。

先発品なし(ヘパリン類似物質外用スプレー)
ミスト状で出てくるため背中などの手が届きにくいところに塗布しやすいです。また、手で直接塗り広げなくても使用できます。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の使用方法

ヘパリン類似物質は1日1~数回、朝の着替えや入浴後などのタイミングで、こすらずやさしく塗りましょう。
使用量は、フィンガーユニット(FTU)という単位を目安とします。軟膏やクリームタイプであれば、大人の人差し指の先端から第一関節までの長さ(約0.5g=1FTU)、ローションでは1円玉台に出した量(約0.5g=1FTU)が、大人の手のひら2枚分の面積に塗る量となります。フォームの場合は、容器のキャップ大に出した泡の量が(約1g)に相当しますので、大人の手のひら4枚分の面積に塗る量となります。また、ローションやフォームは、少ない量でも広い面積に伸びますが、それでは使用量
が少なく、十分な保湿ができていない可能性があります。やさしく塗り込んだ後に肌がテカっていることや、ティッシュが張り付く程度のしっとり感が使用量の目安となりますので適切な量で保湿しましょう。

さいごに

今回は、ヒルドイドについて紹介しましたが、「🍎子どものスキンケア」のブログ記事には、保湿剤と一緒に処方されやすい“ステロイドの塗り方”なども紹介していますので、ぜひ、合わせて読んでみてください。

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